2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

青松輝一首評 連作「痛みについて」より

Things Go Better With Coke. 埋没の二重瞼を見せてもらった 音楽にはまったく疎くて知らなかったのだが、調べたところ「Things Go Better With Coke」というのは、コカ・コーラの販促目的でイギリスの「The Who」というロックバンドがつくったCMソングらし…

魚村晋太郎を読む -『銀耳』-

読み終えたときにため息が出た歌集だった。評を書くのも無粋に感じるような澄んだ歌ばかりで、ことし手に取った歌集のなかではトップレベルによかったと思う。 北辺に逐ひやらはれてしづまるかウラニウムの神プルトニウムの神/『ウランと白鳥』 モノレール終…

飯田有子を読む -『林檎貫通式』-

のしかかる腕がつぎつぎ現れて永遠に馬跳びの馬でいる夢 負けたとは思ってないわシャツはだけかさぶたみたいな乳首曝しても 駈けてゆけバージンロードを晴ればれと羽根付き生理ナプキンつけて 「のしかかる」のは誰で、「負かした」のは誰なのか。なぜわざわ…

北山あさひを読む -『崖にて』-

今クールから再び放送されている呪術廻戦を見ているのだが、五条役の中村悠一の芝居がどうも鼻につく。音響監督のディレクションなのかわからないが、こういうのが好きなんだろ的な視聴者への目配せを感じて、うっ…とキツくなってしまう。 残高の十八円がほ…

短歌の話(10/2) 

ここのところ本を読みすぎてなんの本を読んだのか、まだ記事を書いていない本はどれかを忘れそうになっているので、備忘のため書き出します(太字はブログに書いたもの)。 〈歌集〉 土岐友浩『僕はいくよ』 永井祐『広い世界と2や8や7』 川野芽生『Lilit…